英語が苦手な人間にとって、海外出張に辞書は不可欠。そして最近のトレンドは紙ではなく電子辞書でしょ・・・ってことで、出張が決まるとすぐに電器店に買いに行きました。
普段はパソコンにインストールしてある辞書や翻訳サイトなどを利用するので、とくに必要ないですもんね。
じっくり選ぶ時間がなく、また今回はパソコンを持って行けない特殊事情もあるので、奮発して少々高級な電子辞書を購入しました。時間が空いた時には勉強にも使えるだろうし、コンテンツが多ければ出張が終わった後もいろいろ使い倒せるだろう、って思ったんです。
そんなわけで、カシオ製で当時のフラッグシップモデルを購入。
テヘランでは早速、ホテルのチェックアウト時などに本領発揮。ミニバー使用の自己申告など実践ですぐに役に立ったし、豊富なコンテンツを眺めてるだけでも時間つぶしに最適なので、充分満足してたんです。
しかし、現地で業務を開始して4日目、ついに事件が起きてしまいます。
この電子辞書、ポケットサイズではないのでいつもはカバンの中に入れて、時々取り出して使ってたんですが・・・仕事が終わってみると、いつの間にか姿が見えません。カバンの中をひっくり返しても、やっぱり出てこないってことは・・・。
つまり、盗まれてしまったわけですな。
さて、なくなってから気づいても後の祭り。ちょうど作業ミスの手直しなどで現地人の作業員が大勢出入りしてたし、現行犯で取り押さえない限り犯人の特定なんてできるわけありません。
そんなわけで、哀れなオイラはあろうことか敵地内で、唯一の武器を失ってしまったのでした。
購入後わずか1週間・・・さすがに心が折れましたよ。仕事なんか放擲して日本へ帰ってしまいたいくらいね。
気分的に立ち直った後も、帰国した頃にやってくる請求書のことを考えてさらに憂鬱になったりしたものです。
あぁ、手元に残った取扱説明書がむなしい。

一応、海外旅行保険にも入っていたんですが、約款を読んでみるとどうも現地の警察に被害届を出すくらいはしておかないとダメみたい。でも、客先内だし、イランでどうすりゃ良いのか判らないし・・・まず無理だな。
洒落にならない損害だけど、人生勉強のための授業料と思うしかなさそうです。