2009年03月28日

イラン紀行11 アリババ

ついにこの話題について書く時がやってきました。今回のイラン出張で最大にして最悪の事件。

英語が苦手な人間にとって、海外出張に辞書は不可欠。そして最近のトレンドは紙ではなく電子辞書でしょ・・・ってことで、出張が決まるとすぐに電器店に買いに行きました。
普段はパソコンにインストールしてある辞書や翻訳サイトなどを利用するので、とくに必要ないですもんね。

じっくり選ぶ時間がなく、また今回はパソコンを持って行けない特殊事情もあるので、奮発して少々高級な電子辞書を購入しました。時間が空いた時には勉強にも使えるだろうし、コンテンツが多ければ出張が終わった後もいろいろ使い倒せるだろう、って思ったんです。
そんなわけで、カシオ製で当時のフラッグシップモデルを購入。

テヘランでは早速、ホテルのチェックアウト時などに本領発揮。ミニバー使用の自己申告など実践ですぐに役に立ったし、豊富なコンテンツを眺めてるだけでも時間つぶしに最適なので、充分満足してたんです。

しかし、現地で業務を開始して4日目、ついに事件が起きてしまいます。

この電子辞書、ポケットサイズではないのでいつもはカバンの中に入れて、時々取り出して使ってたんですが・・・仕事が終わってみると、いつの間にか姿が見えません。カバンの中をひっくり返しても、やっぱり出てこないってことは・・・。

つまり、盗まれてしまったわけですな。

さて、なくなってから気づいても後の祭り。ちょうど作業ミスの手直しなどで現地人の作業員が大勢出入りしてたし、現行犯で取り押さえない限り犯人の特定なんてできるわけありません。
そんなわけで、哀れなオイラはあろうことか敵地内で、唯一の武器を失ってしまったのでした。

購入後わずか1週間・・・さすがに心が折れましたよ。仕事なんか放擲して日本へ帰ってしまいたいくらいね。
気分的に立ち直った後も、帰国した頃にやってくる請求書のことを考えてさらに憂鬱になったりしたものです。
あぁ、手元に残った取扱説明書がむなしい。

電子辞書の取扱説明書

一応、海外旅行保険にも入っていたんですが、約款を読んでみるとどうも現地の警察に被害届を出すくらいはしておかないとダメみたい。でも、客先内だし、イランでどうすりゃ良いのか判らないし・・・まず無理だな。
洒落にならない損害だけど、人生勉強のための授業料と思うしかなさそうです。
posted by ばりさく at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

2009年03月27日

イラン紀行10 夜の過ごし方

普段の生活では、一日の仕事を終えて宿舎に帰ると、まずパソコンの電源を入れて・・・ってことになるんですが、今回はパソコンを持って行ってなかったので不可能。
もちろんネットもできないので、メールもブログ更新もできません。

とりあえずテレビをつけてるんですが、当然のことながらチャンネルはすべてペルシャ語。一つだけ英語のニュースチャンネルがあって、テヘランの時はCNN、バンダルイマームではBBCが放送されていたので、いつもはBBC World Newsを見てました。

もちろん、ネイティブの英語なんて何を言ってるのかさっぱり判りません。でも、映像とテロップのおかげで、世界情勢はなんとか把握。日本関連のニュースでは、日本のGDPが3.3%下がったとか、麻生総理がホワイトハウスを訪問したとかあったな。

ニュースチャンネルは同じ内容を繰り返すので、飽きると国内の放送を見るようになります。ペルシャ語は全然理解できませんが、CMならなんとなく判っちゃうし、結構面白かったりするんですよね。

そして、妙に気に入っちゃったのが、とあるクイズ番組。「みのもんた」っぽい司会者が立つステージの後ろに一般の回答者っぽい人がたくさんいて、3択クイズっぽいことやってはとにかく喜んで拍手してます。

あやしいクイズ番組

そのうち代表者が3名出てきて、また3択クイズっぽいことやって・・・システムは全然判らないけど、キャッチーな音楽が印象的でずっと見てることもありました。

また、海外(イランにとって)の映画が放映されていることもあります。ハリウッドの作品もあり、何が何でもアメリカが嫌いってわけではないみたい。
一度だけ偶然にも日本の映画にも遭遇。大沢たかお主演で日米同時公開された「ミッドナイトイーグル」です。

でも、当然のことながらペルシャ語吹き替え版なので、竹内結子もペルシャ語でしゃべってます。字幕版なら良かったのにっ。

ペルシャ語しゃべる竹内結子

オイラはこの作品を観たことなかったので、頭の中で勝手に作ってた物語は微妙に食い違っていました。

さて、テレビを見る以外では音楽を聴くってこともありますね。ただし、オイラが持ってる携帯音楽プレイヤーはiPodなもんで、トラブルを避けるために今回は持って行きませんでした。
そんなわけで、イランに来てからは目覚まし時計になっている携帯電話が大活躍。一応、着うたって機能があるもんね。

しっかーし!オイラはもともとケータイで音楽なんて聴かないもんで、着うたフルのデータは3年前に買い換えたときにダウンロードした3曲があるだけ。でも、当時初めてダウンロードしたZARDの「負けないで」が入ってた。
なんとまぁ、まさしく今のオイラにピッタリの曲じゃぁございませんか。

負けないで

とりあえず、これらを繰り返し聴いてて、時には通常の着うたを片っ端から再生してました。音楽祭のプレリュードや祝典行進曲、ドラクエのファンファーレや残酷な天使のテーゼなど、一部だけでも気分が高揚する曲があって良かったです。

そうそう、それだけじゃなくて日報などを書いたりもしてましたよ。それに4日おきに洗濯・・・下着や靴下などは1週間分を持って行ってたんですけど、もう少し減らせば良かったかも。

あとは・・・そうそう、今回の出張のために奮発して買った電子辞書で、英語の勉強とかしたかったんですけどねぇ・・・。
posted by ばりさく at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

2009年03月26日

イラン紀行9 お食事事情

出発前、みんなにこう言われてました。
「ばりさくどん、帰ってきたら激ヤセしとるんじゃろうね」

また、テヘランに駐在してる人はこう言ってました。
「現地に1ヶ月もいたら体重はキープできない(減る)でしょう」

・・・これはヤバイ。「もし太って帰ったら爆笑されちまう」とちょっと強迫観念。
体重計ないからチェックもできないし・・・でも、結果的には増えも減りもせず、自分と周囲の期待を大いに裏切ってしまったのでした。ゴメンナサイ(って誰に?)。

さて、そんなわけで現地での食事について紹介しましょう。

まずはゲストハウスのレストランで朝食。いわゆるコンチネンタル・ブレックファストというヤツで、パンにバターやジャム、ハチミツ、ナチュラルチーズ、シリアル、卵、コットンキャンディー(綿あめを固めたようなもの)、そしてチャーイ(紅茶)やミルク、オレンジジュースという組み合わせの毎日です。
一応、ビュッフェスタイルではありますが、たくさん食べられれば良いってもんでもないしねぇ。

イランの朝食

そんな中で、重要なキーワードがタマゴ。普段は固ゆでのゆで卵しかないんですが、10日に一度くらいの頻度でスクランブルエッグが出てくる日があり、オイラたち日本人は大喜び。
かねて用意の醤油をかけたりして、超ご機嫌で食べてました。

そういえば、オイラが滞在した1ヶ月間で一度だけ目玉焼きが出てきたことがあったなぁ。あの感動はすさまじかった記憶があるんですが、一度っきりだったので夢か幻だったのかも・・・。
ちなみに毎週土曜日の朝はパンがナーンに変わり、みんなのテンションが一気に下がることも・・・ナーンって微妙に不人気です。

そして昼食は勤務地内のレストラン。まずナーンとスープ、そしてサラダ、最後にメインというコースになっていて、メインの種類はキャバーブだったりピッツァだったり魚のフライだったり・・・。

基本的にバリエーションは多くないので、どうしても飽きてしまうのは仕方のないところ。同行者の中には、キャバーブに手をつけない人、魚のフライを食べない人、ピッツァなら食べる人、スープとピッツアはノーサンキューな人などいろんな人がいました。
そんな中で、誰かさんだけが何が出てきてもバクバク・・・。

残念ながら諸事情により写真が撮れなかったんですが、とくにスープは薄味だったけど美味しかったです。ただ、トルシー(キュウリのピクルス)には心の底から飽きてしまい、ついには手をつけなくなったけど・・・。

最後は夕食。オイラは体重コントロールのため、数回しか食べなかったんですけどね。
まずビュッフェスタイルでナーンとスープ、サラダなどを取ってテーブルにつき、食べ始めます。

夕食1

すると、メインの皿が運ばれてきます。基本的にはチェロウと呼ばれる長粒米のご飯とおかず。肉の煮込みだったり、チキンのフライだったり、キャバーブだったり・・・。
カレーやシチューっぽい煮込みはチェロウとよく合いますね。

夕食2

食べてみると見た目以上にボリュームがあって、味も薄味で単調な感じがするけど美味しいです。ただ、煮込み料理は骨も一緒に煮てあって、しかも骨が小さく砕かれてたりするので、気をつけないと口の中を怪我します。
ローストしたトマトは、皮をむいて食べるんだそうな。そんなこと知らないオイラは、もちろん皮ごと・・・。

夕食3

あと、とてつもなく印象に残っているのが、謎の乳酸飲料。写真の奥に写ってる白い液体のペットボトルね。
まぁ簡単に言えば炭酸水で割った「飲むヨーグルト」の臭いと刺激がキツイバージョン。とにかく、一口飲んだオイラの体が強烈な拒絶反応を起こしました。
冷やしてあればまた違った印象だったかも知れませんがね。でもこれ、イランの人たちは大好きみたいです。
再チャレンジしてみれば良かったかなぁ。

さて、オイラ以外の日本人たちは、それぞれいろんなものを準備してたようです。トラベルクッカーに棒ラーメンやカップ麺、お湯で作るご飯にインスタントみそ汁、レトルトカレーやふりかけなどなど・・・最近は防災用食品の充実もあって選択肢はかなり広がってるそうな。

オイラはあまりストレスを感じないタイプみたいですが、次回があれば楽しむ目的で何か持って行こうかな、なんて思いました。
posted by ばりさく at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

2009年03月25日

イラン紀行8 車窓から

ベサトのゲストハウスからペルシャ湾岸沿いにある現場までは、ミニバスやタクシーで往復。門の前に立っていると迎えに来てくれるので、とくにトラブルはありません。
ただ、車内の匂いがキツイ(酸っぱ臭い)バスは不評だったな。

ベサトはオアシスっぽいところにあるみたいで、街を出てしまうと右を見ても左を見ても見渡す限りの荒野。ただ、造成されてるように見える箇所もあったので、いずれ開発されていくんでしょうね。

荒野1

ちなみに写真で煙っているように見えるのは霧だけじゃなく、大気汚染の影響もあるようです。ひどく煙ってる日だと、地元の人たちもみんなマスクしてましたし・・・。

荒野2

もちろん、毎日がこんなんじゃありません。青い空が見える日だって・・・あんまり変わらないか。

荒野3

猛スピードでかっ飛ばしても片道30分以上かかる道のりなんですが、終始こんな感じでした。

ちなみに、イランは左ハンドルの右側通行。道路で印象に残ったのは交差点ですね。直進するにしても右左折するにしても、一旦ロータリーに入るようになってて・・・って文章では判りにくいなぁ。
それと、道路の至るところに段差が設けられてあるんですが、やっぱりスピード出し過ぎ防止なのかな。
posted by ばりさく at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

イラン紀行7 滞在地

日本出発から現地到着まではいろいろドタバタしたものの、イランでの滞在は落ち着いたものでした。だって休みなく働いてたので、毎日がゲストハウスと現場の往復ですもん。
そりゃ仕事面では、トラブルやアクシデントのオンパレードでしたがね。

とりあえず、滞在中のことは項目別に分けてまとめておきたいと思います。まずは概要から。

滞在したのはペルシャ湾岸地方のイラクやクウェート寄りの地方。かつて第2次対戦中にペルシア回廊と呼ばれた補給線の入り口とされる港町の辺りです。

宿泊したゲストハウスは、想像してたよりも綺麗。

ゲストハウス外観

夜になると、こんな感じ。各部屋の窓で灯ってる青色の光が印象的ですな。
最初は「殺虫器?」って思ったんですが・・・。

ゲストハウス外観(夜)

室内は基本的にホテルと変わりません。室内にはテレビや冷蔵庫も完備されてるし、共同で使える洗濯機も設置されているので、生活に困ることはありません。
食事は敷地内のレストランでしたし。

ちなみにトイレは洋式にあの手動ウォシュレットだったんですが、共同のイラン式もありました(写真撮るのを忘れた)。

ゲストハウスの部屋

お風呂はバスタブがなくシャワーのみ。オイラは普段シャワーだけなので問題ないんですが、さすがに仕事で疲れてくると「お湯に浸かりてぇ・・・」と思うのは、やっぱり日本人だからでしょうか。

生活用品や食料品が欲しくなったら、近くにあるバーザールへ歩きます。雑貨店などが集まった商店街みたいなところで、すべてのお店が閉店する時間は不明ですが、午後9時くらいまでは営業してたんじゃないかな。
ここでスナック菓子とか買うのが唯一の息抜きでした。

バーザール

近くにはモスクがあり、学校や公園も隣接しているので、周辺に住んでる人々が集まる場所のようです。

モスク

そうそう、ホテルやゲストハウス各部屋の天井には矢印のようなワッペンが貼ってあり、メッカのある方角を示しているんだとか。イラン滞在中も「そういう意味なんだろうなぁ」って思ってましたが、帰国後にネットで調べてようやく得心。

天井のワッペン

また、引き出しに入ってた小さいカーペットはジャーナマーズ、テーブルの上に置いてあった数珠はタスビーといって、お祈りの時に使うものだったみたい。ただ、モフルと呼ばれる小石のようなものは気付かなかったな。
コーランらしき本も置いてありましたが、タイトルまでペルシャ語で書かれていたのでよく判りませんでした。

壁の落書き
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2009年03月24日

イラン紀行6 マーシャーへ

テヘラン滞在2日目、午前中は雨が降っていたんですが午後から回復。これなら、なんとか飛行機は飛べそうです。

テヘランの空

午後6時くらいのフライトということで、昼食後にちょっとだけ散策。ホテル近くにある動物園のような要素がちょっとだけある公園に足を踏み入れてみましたが、ほとんど人影がありません。

テヘランの公園1

テヘランの公園2

午後3時にホテルをチェックアウトし、メフラバード空港へ。途中、テヘランで最も有名なランドマークであるアーザーディー・タワーの白い姿が遙か遠くに見えましたが、残念ながら一瞬の出来事。
オイラたちを乗せたクルマは、ほとんど停止することなく空港へたどり着いてしまいました。

そうそう、車窓から北の方角を見てみると、アルボルズ山脈はうっすら雪化粧。

アルボルズ山脈

さて、チェックインまではピックアップの人がいてくれたので、ターミナル内に入るまでは問題なし。でも、その後は空港内のインフォメーションがよく判らず、同行者と2人で不安な時間を過ごしました。
チケットに書いてある番号もなんかアヤシイので、人の動きに変化があるたびに「偵察」と「離脱」の繰り返し・・・。

予定時間を1時間近く過ぎて、ようやく飛行機に搭乗。タラップを上がると、扉の説明書きが日本語でやんの。
これって日本の国内線で使われてた機体のようですね。

1時間ちょっとのフライトだったんですが、ちゃんと機内食のサービスもありました。チキンのサラダとパンにオレンジジュース、なかなか美味しかったですよ。

そんなこんなで無事にマーシャー空港に到着し、それからクルマでゲストハウスへ。これでようやく長かった旅が終わり、さらに長丁場の現地業務がスタートです。
posted by ばりさく at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

2009年03月23日

イラン紀行5 テヘラン待機中

テヘランに到着したその日のうちに最終目的地であるマーシャーへ飛ぶ予定だったんですが、朝方に降った雪の影響もあってかチャーター機が欠航。そんなわけで、一日テヘランに滞在することになりました。

待機体制が解けた夕刻、とりあえずホテルの周りを散策してみます。とりあえず治安が悪いらしい南側は避け、北へと歩いてみました。
ついでに夕食はホテルのレストランでなく、外で食べようと思ってたんですが、なかなか適当なお店が見つかりません。ファーストフードのような店は見つけたんですが、店内には女性客しかいなかったので、もしかして男性お断りだったりしたらイヤなのでパス。

カラフルなお店発見

そして一旦ホテルに戻り、悩んだ末にもう一度外出。小雨が降る中を歩き回り、意を決してとあるお店のドアを開きました。すると、いきなり外国人が一人で入ってきたので、店中の視線が・・・。

とりあえずテーブルにつくと、すぐさまナーンとオレンジが運ばれてきました。そして店員らしき男性がやってきて、英語で話しかけてきます。
ここは羊肉の煮込み料理を出すお店だったようで、その人に勧められるままに頬肉と大腿肉を皿に取ってもらいました。「舌も食べるか?」なんて言われたのは笑顔で却下。

「何か飲むか?」って聞かれたので、他のテーブルを見回してみるとペプシコーラの500mlペットボトルが多かったので同じ物を注文。ついでにスープも注文することになって、ついにお食事開始です。

テヘランでの食事

羊肉の煮込みは薄味ながらとくに臭みはなく、しっかり煮込んであったので柔らかくなってます。テーブルに置いてある塩やコショウで好みの味に調整して、普通に美味しくいただきました。
ちょっと厚めのナーンはボリュームがあって、しかも何も言わないのに2枚目が持ってこられたり・・・結局、余ったナーンはビニール袋に入れて持ち帰り、翌日の朝食にしたんですけどね。

食事の途中に「チャイニーズか?」って尋ねられ、日本人だと答えるといきなりレジ係のあんちゃんから流暢な日本語が帰ってきました。なんでも愛知県に住んでたことがあったそうで・・・。

さて、食事を終えてお会計、日本語が通じるあんちゃんのおかげでスムーズに終わったんですが、この食事で52,000リアルっていうのはどうなんだろ。ガイドブックによれば、中級以上のレストランで一人50,000リアルくらいって書いてあるんだけど。
ま、ペルシャ語のメニューもちゃんと見ずに注文しちゃったし、何があっても仕方ないけどさ。

お店の外観

ついでに書いておくと、この店のメニューはトマーン表記。イランの通貨はイラン・リアルですが、市民生活ではゼロを一つ省いたトマーンって単位が一般的なんだそうで、5,000(トマーン)って書いてあったら50,000リアルってことなんです。
でも、必ずそうって訳じゃないので、買い物の時は最初に確認した方が良いみたいですよ。
posted by ばりさく at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行

2009年03月12日

イラン紀行4 テヘラン滞在の注意点

ここでテヘランに駐在されてる方に教えていただいた、滞在時の注意点をまとめておきましょうか。

まず、一番気になってた治安ですが、テヘラン市内の治安は比較的安定しているそうです。ただ、市内中心部は外国人慣れしてない地域もあって、治安は若干悪いとのこと。

壁アート

また、市内のあちこちに公園があるんですが、近所の森みたいになってるところには麻薬の売人がいるとかいないとか・・・とにかく近づかない方が無難だと言われました。イランは麻薬にはとくに厳しい国で、所持してるだけで重罪なんだそうな。

それと、事件よりも事故、つまり交通事故が多いんだそうです。自動車が多い上に信号も充分な整備がなされておらず、マナーも行き届いていないので当然といえば当然かな。
実際、道路に書いてある横断歩道にはあまり意味がないみたい。

ホテル前の道路

ちなみに車道を横断するのに大切なのはタイミングと度胸だそうな。そしてむやみに走ると危険らしく、運転手とアイコンタクトしつつ適切なスピードで進むのが良いようです。
たしかに市民の皆さんは、行き交うクルマを巧みに避けて横断していましたね。

さて、注意しなければならないのは街中での写真撮影。公的な施設、軍関係、警察などは撮影禁止なので、制服姿を見かけたらカメラを構えるのは避けた方が良いそうです。空港も準軍事施設なので同様とのこと。

並木通り?

また、女性を撮影するのも注意が必要。チャードルやマーントーを着ている女性は日本人には物珍しく感じられますが、興味本位でカメラを向けるのはマナー違反。
ただ、風景写真に写り込むくらいなら問題ないそうです。

風景写真

そうそう、テヘランは大気汚染がひどくて、ちょっと外出するだけで目や喉が痛くなったりしました。マスクと目薬は必需品とまではいかなくても、あった方が良いグッズです。
まぁその後に行った現地の方がもっとひどかったので、悪印象はかなり薄くなってしまいましたけどね。
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2009年03月11日

イラン紀行3 到着早々のホテルにて

ホテルの室内はさすがに綺麗です。驚いたのはキッチンが付いてたことなんですが、これが一般的ってわけではないみたい。
実際、帰国の際にも同じホテルを利用したんですが、その時の部屋には付いていませんでした。

キッチン付ルーム

トイレはしっかり洋式で、トイレットペーパーも完備されてます。ただし、やはりイラン式の手動ウォシュレットも健在・・・さて、いったいどうやって使えば良いのやら。

洋式トイレにイラン式手動ウォシュレット?

さて、冷蔵庫にはミニバーのドリンクとお菓子が入っていたんですが、驚いたのがコカコーラが入っていたこと。空港の自動販売機ではペプシコーラが売られていたので、アメリカ嫌いのイランにはコカコーラってないのかな・・・なんて思ってたんです。
このコーラがその後の1ヶ月間、心の支えになってくれるんですが、それは別のお話。

ミニバーの中身(表)

ペットボトルや缶のドリンクの裏面は英語バージョン。右の赤い缶はやっぱりコーラ。

ミニバーの中身(裏)

そうそう、厳格なイスラム国家のイランではお酒は飲むのも持つのも御法度だそうで、アルコールの入った飲料は一切入っていません。もちろん、レストランなどでもお酒は出さないそうです。

さて、この日は午前11時に迎えが来ることになっていたので、目覚ましを10時にセットしてたんですが、9時過ぎには目が覚めてしまいました。もうちょっと眠りたいな、と思いつつベッドから起き出してカーテンを開けてみると、窓の外では雪がちらついてます。
これにはちょっと意表をつかれました。

テヘランはアルボルズ山脈の麓、イラン高原北西部に位置し、標高1200mくらい。寒暖の差が激しくて、冬に雪が降ることは珍しくないそうです。
でも、市街地に積もることは滅多にないし、もし積もったりしたら大変なことになるみたい。だって、皆さんノーマルタイヤ・・・冬用タイヤにしたりチェーンを巻いたりってことはしないからね。
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2009年03月10日

イラン紀行2 イラン到着

関空を飛び立った飛行機は、約12時間かけて一路フランクフルトへ。ビジネスクラスだったので快適な空の旅ができました。

機内食は夕食と朝食ともに洋食。最後の和食を堪能しようかと思ってたんですが人気が集中してたらしく、食べることができませんでした。
主菜のチョイスは夕食がラムロースのマリネ焼き、朝食はオレキエッテパスタと野菜のラグーだったかな。前日の昼から何も食べてなかったので、食事前のマカダミアナッツや軽食のサンドイッチ、おやつのチョコレートも含めて完食でした。

あとは映画を3本、ドラマを1本観てるうちに就寝。ロングフライト症候群が心配でしたが、とくに体調に変調がなかったので一安心。

フランクフルトに到着し、乗り継ぎゲートを確認してからラウンジへ。ターミナル1のBゲートからの到着・出発だったのでスムーズです。
ラウンジでは、お腹はすいてなくてもとりあえずソーセージ。あとはバニラヨーグルトっぽいものや駄菓子みたいなお菓子、そしてナッツを食べつつ、搭乗時間を待ちました。
体重増加の懸念が一瞬頭をよぎりましたが、イランでどうなるか判らないんだし、今のうちに食っとけ!って感じでしたな。

約2時間後、イラン行きの飛行機に搭乗してドイツを離れます。もちろん機内食は完食。
タイセイヨウオヒョウのマスタードソースが美味しかったなぁ・・・って、ホント食べてばっかりね。

そうこうしてるうちに、ついにテヘラン到着。入国審査ではパスポートを見た係官が「コンバンワ」って挨拶してきて、少々構えていたオイラも思わず笑顔。
とくにハプニングもなくあっさり通過し、ちょっと拍子抜けしていたところで振り返ったら、同行者が別室に連れて行かれてビックリ。何事かと部屋を覗いてみたら、なにやら指紋をスキャンされてたそうで・・・。

さて、最初の衝撃はやっぱりトイレかな。イラン式の便器(和式の金隠しなしバージョン)はともかく、トイレットペーパーは常備されていないし、手動ウォシュレット(蛇口にホースが繋がったもの)はどうやって使うのか判らないし・・・なんかイランに来たことを実感します。

そしてピックアップの人と合流し、彼の運転するパジェロに乗ってテヘラン市内のホテルへ。チェックインを終えて部屋に入ったのは現地時間の午前4時過ぎでした。

ホテルの部屋
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2009年03月09日

イラン紀行1 出発前の大ドジ

昨日までの約1ヶ月間、イランという国に行っていました。しかし、その激動の歴史と魅力的な文化に触れることは一切なく、ずっと僻地でお仕事していたもので、楽しく素敵な思い出なんて残っておりません。
逆に、どちらかと言えば失ったものが大きく、思い出したくない記憶ばかりが増えてしまった1ヶ月でした。しかしそれでも、「ぶちたいぎかった(とても疲れた)」・・・って一言で済ますのはあんまりなので、とりあえず備忘録程度に旅の概要なんかを書いていこうと思います。

まず、日程は最終的にこんな感じになりました。

2月5日 広島⇒関空
2月6日〜7日 関空⇒フランクフルト⇒エマーム・ホメイニー(テヘラン)
2月8日 メフラバード(テヘラン)⇒マーシャー
2月9日
 ・
 ・   お仕事(休日なし)
 ・
3月5日 マーシャー⇒メフラバード
3月7日〜8日 エマーム・ホメイニー⇒フランクフルト⇒関空⇒広島

さて、まずは出発前に最初の失敗。やっぱり前日に1日休暇をとってでも、準備の時間をしっかり確保すべきでした。
ドタバタ焦って準備すると、ロクな結果になりゃしません。

関空までの移動当日は、昼過ぎまで派遣先でお仕事。それから会社に戻って、仮払い金として準備してもらったUSドルと保険証などを受け取ります。
それから買い物のために街に出たんですが、この時点ですでに午後3時過ぎ。

デオデオで腕時計、東急ハンズでスーツケースのベルトやバッグなどを買い、本通り商店街にある写真館で写真撮影し、最後に本屋で「地球の歩き方(イラン編)」を購入。しかし、時計屋の店員さんが時刻合わせの操作方法を熟知しておらず、マニュアルとにらめっこしていたり、写真館のご主人がパスポートサイズのカットに失敗して撮り直すなどの無駄な時間が蓄積され、帰宅できたのはすでの午後6時を過ぎてました。

おかげでパッキングの時間がなくなってしまい、とにかく荷物をスーツケースやキャリーバッグに詰め込んでタクシーに飛び乗ったんですが、それでも関空行きの最終ギリギリ。日付が変わる直前に、ようやくホテルに到着。
すぐに荷物をばらして本格的にパッキングを始めると、すぐに重要な書類がないことに気付きました。
それは今回の所持品で唯一、かなり前から用意していたはずの卒業証明書。

もうね・・・顔面蒼白ですよ。

自宅に電話してみると、見事にデスクの上に置き忘れてるとのこと。もう迷ってる時間もないので、とにかく家族に翌朝の始発で持ってきてくれるよう依頼し、USBメモリやコンセント変換アダプタ、リップスティックなどの忘れ物も一緒に持ってきてくれるようお願いします。
すると今度はアダプタが見つからないと言われて大騒ぎ。べつに空港で買えば良かったんですが、交通費で無駄な出費を強いられるわけですから、なるべく余計な出費を抑えたくて必死でしたな。

それでも結局見つからず、翌朝早起きしてもらわなければならないので今度は早く寝るよう指示し、自分は荷造りを再開。今回はなるべくスーツケースが重たくならないようにしなければならないので、バランスを取るのが大変でした。
荷造りし終わった頃には、家族を起こす時刻が迫ってるし・・・。

モーニングコール感覚で電話をかけたら反応がないので、またまた焦って自宅と携帯に交互にかけ続けます。んで数分後、ようやく出てくれたと思ったら「何を持って行くんだっけ?」なんて寝ぼけて言うもんだから、思わず発狂しそうになりました。

それから家族が自宅を出て、広島駅に着いて、新幹線に乗って、新幹線を降りて、特急はるかに乗り継いで・・・というところまで電話でフォローをし続けてたらホテルを出る時間です。それから空港のチェックインカウンターでチェックインを済ませ、再び駅の改札出口で待っていると・・・なんとかたどり着いてくれました。

いやぁ良かった良かった。

家族に迷惑をかけたことを申し訳なく思い、また想定外の痛恨の出費に涙しつつ、それでもホッと胸をなで下ろしながら日本を飛び立ったのでした。
posted by ばりさく at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | イラン紀行