
ある日、癌に冒され余命がもう長くないことを知った元看護師が、退院して自宅で過ごしたいと言い出す。彼女の家族たちは了承し、自分たちで最期まで面倒をみることを決意する。
彼女が少しでも苦しまないよう、また楽しく過ごせるよう在宅緩和医療の医師に往診を依頼するが、そこに現れたのは・・・。
DOCS(南区民文化センターで行われている戯曲・演技ワークショップ事業)で講師を担当している古城十忍氏が主宰する劇団の公演。以前から興味があったのでタイミング良く観ることができた偶然に感謝ですな。
タイトルの死に顔とピース、この二つの言葉は相容れない関係のように感じますよね。どんなお話なのかと思っていたら、患者と家族が笑顔でピースをしながら記念写真を撮れるくらいに充実した死を迎えられるよう、手助けをする医師たちの物語でした。
なんでも実話を基に作られた作品とのことで、ユーモアとハグによって患者に寄り添う在宅医のエピソードがベースになっているんだとか。
患者は病魔の苦痛に耐えながら、家族は患者の介護に疲れながら、医師が来る日を楽しみにしています。そして笑顔いっぱいで、生きている時間を精一杯楽しく過ごすのです。
ついに最期が訪れたとき、最後となる家族写真には、今までと同じように笑顔でピースする姿が写っている・・・。淡々と描かれるシーンがとても胸を打ちました。
終演後は、自分がどのような死を迎えるかをどうしても考えてしまいます。今の状況からだと、良くて野垂れ死に・・・って感じですけどね。
まぁ誰にも相応しい生と死っていうのが用意されているわけで、今さらどうにかなるもんでもありません。
さて、来たる12月25日に前述のDOCS成果発表公演「修学旅行」(作・畑澤聖悟、演出・古城十忍)がありますよ。クリスマスの日曜日、お時間あるかたは是非どうぞ。
オイラはその日、大阪で別の観劇予定があるので残念ながら行けないんだよな・・・。
