2011年09月25日

サースト

山小屋シアターにて、劇団ギザ十による「サースト」の大楽を観劇。

遺跡発掘現場に現れた、得体の知れない一人の男。彼は、出会ったばかりの考古学教授の背後に回ると、いきなり首を絞めたかと思えば、発掘作業員となりグループに加わる。
発掘が思うように進まない中、男が見つけた人骨が最大にして待望の発見となる。祝賀ムードに包まれた彼らは、つかの間の宴を楽しむのだが・・・。

劇場に足を踏み入れると舞台には砂が敷き詰められており、パンフレットやチラシと一緒にマスクが配られていました。上演中にバッグなどに砂が入らないよう、最前列の席にはビニール袋も準備されるなど、少しでも快適に観られるよういろいろ配慮されていたのは好感が持てますね。
以前、演出に瓦礫が使われた別のお芝居では、舞い上がる粉塵が気になって集中できないことがありましたから。

さて、重苦しい雰囲気で始まったお芝居は最後まで重苦しく、少々唐突な展開に戸惑いました。主人公の男が自分を捨てた実の父である教授へ倒錯した想いを抱えているのは何となく判るんですが、実の母親を犯したり、無抵抗の父を殺したり、そして助教授(?)をビンタしたりする理由が判らないんですよね。
教授も達観しているのか無関心なのか、どうしてあんなに落ち着いていられるのかも不思議だし。そもそも、親戚に引き取られたとはいえ大事に育てられたって言ってたし。

殺害シーンや自分の目を潰すラストシーンは迫力がありました。ただ目を潰すのは「泣いたことがない自分が泣くため」なのですが、彼が泣かなきゃならない理由が判らないのでハテナマークを消化しきれないまま終わってしまったかな。

まぁいろいろと見落としている部分が多いんだろうとは思うんですけどね。たとえば目潰しに使ったあの棒きれの正体とか・・・冒頭で出てたんだけど・・・。

サースト
posted by ばりさく at 21:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇鑑賞
この記事へのコメント
やっている方は、セリフに出てこない背景、思いをどれだけ想像したいと思わせられるかが勝負と思って取り組んでましたが…。
「わからない」の先に連れて行きたかったのです。
とりあえず、私の中では「かわいがってもらった」はそっちの意味じゃなかったんです。
ご観劇、ありがとうございました。また舞台でお会いしましょう。
Posted by 萩原 at 2011年09月30日 00:44
萩原さん、こんにちは。
役名ですよね。何度かお芝居は拝見しております。

背景や思いについて、もちろん想像はしてるのですが、それが正しいのかが判らなかったり、想像が必要な部分かどうかが判らなかったり、判らないのにもいろいろです。観る側の理解能力に因るところも大きく、他のお客さんに判ったことが自分だけ判らないってことも多いと思うので、ちょっと申し訳ない気持ちもありながら観てました。
役者や演出や脚本を責めるつもりはありませんが、率直な感想として読んでいただけたらと思います。

次回公演も楽しみにしております。これからも頑張ってください。
Posted by ばりさく at 2011年09月30日 02:08
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