突如人間界にドラゴンが現れ、暴れ回るようになった。しかし、ドラゴンに敢然と立ち向かう「ドラゴン戦士」がもてはやされ、一大ブームが巻き起こる。
しかし、ドラゴン出現が日常化することでブームは去り、彼らは注目されることもなく細々とドラゴン退治を繰り返す日々を送っていた・・・。
会場に入ってみると、客先が全方位に配置された円形舞台。そこに足場を高く組み上げたようなセットが鎮座し、さらにその上にはすでにドラゴンが・・・。
さて、ファミコンで「ドラゴンクエスト」をプレイしたり、映画「ロード・オブ・ザ・リング」を観てる世代にとってはお馴染みのファンタジーを現実世界に持ってきたって設定。今回の客層は若い女性が中心だから問題ないだろうけど、年配の方には世界観を理解するのに苦労する方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、逆に若すぎると「ラーメン大好き小池さん」が判らない人が多かったかも知れませんが・・・。
幕が上がって、いきなりドラゴンを退治しちゃうわけですが、この作品の眼目はドラゴン退治ではなく、あくまでドラゴン退治をする人たちの群像劇。携帯電話にデジカメ、ブログなど現代のトレンドを詰め込みつつ、チーム、いやパーティーのメンバーが織りなす会話、雰囲気を楽しむってわけですね。
ただ、日常の風景を切り取っただけって感じで、盛り上がりに欠けた感じは否めないかな。円形舞台ってことで場の転換が難しいこともあり、クライマックスへの大胆な仕掛けもなく、淡々と物語が進んで、オチもなく終わってしまったって印象でした。
これが映画なら、あるキッカケでラスボスを倒す旅に出て大団円を迎えるでしょうし、それがなくてもドラゴンを転送するシークエンスでもう一波乱あるはず。この終わり方も悪くはないですが、もう一ひねりあれば良かったかな、なんて思います。
でもまぁ、期待通りしっかり笑わせてもらいましたから、充分満足しましたけどね。
