いつもの山小屋シアターではなく、ガレリア・レイノという画材屋さんの地下にあるギャラリー用スペースが会場。こんなところに手頃なホールがあるなんて知らなかったなぁ(画材屋さんも知らなかったけど)。
今回は出演枠3つに対し、2団体が上演しました。枠が埋まらなかったのは寂しいし、観る方としてもお得感が薄れてちょっと残念ですね。
まずは西野達郎による「やりたかったこと」。
「罪と罰」と題して、西野氏の作・演出による一人芝居。壁に「親」とか「世間」と書かれた紙を貼り付け、それを剥がした後に「罪」と書かれた紙を貼り付ける。
この一連の作業が少々鈍重に感じられましたが、神様(?)から電撃を受けるパフォーマンスなどなかなか面白く観ることができました。ただ、最後の最後で明かされる彼自身の罪とやらが、神様に拉致され電撃を受けるほどの罪とはとても思えず、ちょっと違和感が残ってしまったかな。
C.T.T.という試演会を通して、今後この作品をどう昇華させていくのかが気になりますね。
次は劇団ギザ十による「信号手」。
9月に打つ公演の広報活動としての参加だそうで、以前上演したものの再演なんだそうな。中学生のときに習った手旗信号をすっかり忘れてしまってて、冒頭のシーンの意味を読み取ることができなかったってガッカリから入ってしまいましたが、独特の雰囲気とテンポが印象的なお芝居でした。
舞台となる小屋内と窓の外の情景が伝わってくる、演劇の力強さを感じたような気がします。信号手を訪ねてきた男がじつは死者だった、という流れは感じてたんですが、最後の最後で「本当は信号手の方が死者?」って思ったり。
上演後は合評会ならぬクリティカル・レスポンス。もともと客席のレイアウトが車座のようだったこともあり、席を立たなかった人たち全員が参加する形となりました。
いろんな人のいろんな意見がダイレクトに聞ける貴重な場なので大好きなんですが、今回は積極的に発言する人が多くてとても有意義な時間だったように思います。表層的なことしか理解できないオイラにとっては、観劇以上に刺激になりました。
それはそうと、あの投票結果って公表しないんですかね?
