ある国の王が戦場で斃れた。王の亡骸は城に届けられ、これから盛大な葬儀が執り行われる。
残された若き妃が最後の別れをしようと遺体に近づいたとき、そこに遺体はなかった。
城は混乱に陥り、王亡き後の政を心配する第2の王子、王は大臣に謀殺されたと思い込む第1の王子、王の死を受け容れられない妃、そこに死んだはずの王から手紙を預かったと第3の王子が現れた・・・。
ぞろぞろと役者たちが舞台上に現れ、メイクを始めるところからお芝居が始まります。台詞を喋りつつ衣装に着替え、イスや小道具を配置し、それらを隠していた布を天幕のように頭上に張ると・・・そこは王城。
最初は旅芸人の一座が演じる劇中劇なのかと思いましたが、お芝居が終わる頃にはすっかり物語の世界に飲み込まれていました。
大きな存在である王がいなくなり、王子たちが王位継承を巡って混乱する・・・設定としては古典的な物語。そこに感染すると犬になってします流行病とか、何度殺されても死なない大臣といった存在がアクセントになっていました。
全体的に重苦しい雰囲気のお芝居で、笑いを誘うシーンは少々空振り気味。見入ってしまって退屈はしなかったけど、ちょっと疲れちゃったなぁ。
今回は舞台に袖がなく、シーンに登場していない人物は舞台端のイスで待機するというスタイル。そこで終盤、第1の王子が衣装を脱いだのがずっと気になってたんですが、その服をラストシーンで第3の王子が着るという仕掛けは気づきませんでした。
他の人はカーテンコールで気づいたそうですが、オイラは終演後のアフタートークがなければハテナマークのままでしたよ。
結局、あの亡霊みたいなのが王様だったのかな。あの大臣も、いったい何者だったんだろう。
物語の大筋はしっかりしてるけど、なんだかよく判らない・・・そんな印象でした。
