
男二人と女二人がそれぞれ二役を演じ、二つの世界で繰り広げる愛憎劇。どうやら「死」をテーマにしているのは判るんですが、いつもながらの難解さです。
エロティシズムとホラーの要素を取り入れた独特の世界観は魅力なんですよね。
さて、交互に描かれる二つの世界、それぞれのシーンは登場人物の人間関係や設定に沿ってドラマが進行するので、役者の演技やセリフの軽妙さを楽しめました。ただ、その二つの世界がどう有機的に融合するのかを期待して観ていたんですが、よく判らないまま終わってしまったような気がします。
そんなわけで、今回もやっぱり物語の理解に頭を悩ませてしまいましたが、ホルンやギターの演奏を随所に散りばめた演出や場面転換の奇っ怪なダンス、さらに照明や音楽の使い方など、作品としてはなかなか面白かったです。なんとなくキャラクターが固定しつつあった役者たちの、今までと違う演技が見られたのも良かったですね。
