一の宮巡りをやっていると、避けて通れないのが
雄山神社の峰本社。
立山黒部アルペンルートの富山側、立山連峰の主峰・雄山の頂上にあるので、御朱印をもらうためには否が応でも登山をしないと完遂できないのです。
ちなみに富士山頂に奥宮がある浅間大社は、麓にある本宮でもらえる御朱印でOKなので登拝の必要はありません。
そんなわけで、今年の8月11日に新しく制定されたばかりの祝日「山の日」の翌日、勢いに任せて登ってきました。
奇しくも今年のお正月、大分での意図せぬ登山で死にそうになったので、できる限り準備をしてのアタック。しかし、行くと決めたのが直前だったので、前日まで右往左往してたのは内緒です。
さて、当日は朝6時過ぎに立山駅に到着したんですが、切符売り場はすでに多くの人で行列ができていました。7時40分発のケーブルカーで出発。

美女平でバスに乗り換え、さらに登っていきます。

室堂ターミナルへ到着したのは8時半過ぎくらい。
ここに併設されているホテルのラウンジには以前から目を付けていたハニートーストがあり、今回の旅の主目的の一つ。登山後のご褒美にするつもりだったんですが、品切れになっては元も子もないので朝食代わりに食べることにしました。
そして店頭にあるメニューを眺めたんですが・・・ない、ハニトーがない。しかも図々しく自己主張しているフレンチトーストが気に入らない。
嫌な予感に身も心も震わせながら、スタッフの女の子に聞いてみました。
「あ、今年からフレンチトーストに・・・」
・・・そんなわけで意気消沈、ガックリ肩を落としての出発です。

目の前の台形に見えるのが立山。
3つの頂があり、左から富士ノ折立、大汝山(最高点)、そして一番右が目指す雄山。さらに右にある鞍部には、中間地点となる一ノ越山荘があります。

雄山頂上を望遠で見ると、すでに多くの登山客で賑わっているのが分かりますね。

最初はなだらかな石畳の登山道。
普段から運動不足で、すでに2夜連続の車中泊のため睡眠不足、さらにハニトー食べられず朝食抜きのオッサンですが、さすがにこの辺りは快調に歩きます。

しかし、山が近づくにつれて、だんだん息が上がってきます。
それにしても連休中いちばん天気が良さそうな日を選んだのは正解だったかな。

祓堂に到着した頃にはすでにバテバテ。

この辺りから勾配がどんどんきつくなり、休憩時間がどんどん長くなっていきますよ。

ようやく中間地点の一ノ越に到着。石畳の道はここで終了です。
すでに出発から2時間経過。もうこの時点で死んじゃいそう。

休憩後、頂上へのガレ場に向かって歩を進めます。
この一歩だけでも、自分を褒めてあげたい。

どこをどう登れば良いのやら。
踏み跡を頼りに、慎重に少しずつ登っていきます。

出発した室堂平、みくりが池を眼下に休憩。
標高が高いせいか、いくら休んでも息が落ち着きません。手をつきながら岩場を登ると、起き上がった瞬間に立ちくらみ。
足を滑らせたり転ぶと簡単に滑落しちゃうので、無理をせずゆっくり・・・と思ってたら、10歩進んで10分休むペースになってた。

オイラが一ノ越に到着するまでは上り渋滞が発生していたのに、オイラが登るころには下り渋滞が発生してやんの。
休憩中、隣に座った年配の女性にパイナップルを一切れいただきました。
ぶち美味しかった。
そして、一ノ越を出発してから3時間後、ついに頂上にたどり着きました。
あのパイナップルがなかったら無理だったかも。

まずは社務所兼売店で、1本500円のポカリスエット(500ml)を躊躇なく2本買ってイッキに飲み干します。一息ついてようやく腰を上げ、御朱印をもらってから参拝へ。
あ〜あ、午前中は雲一つなかったのに、すっかりガスっちゃってますな。

鳥居の奥にある小屋で登拝料500円を払い、神社へと登ります。
このトドメの階段がキツイ。

頂上のスペースは狭いので交代制。お社前のスペースに腰を下ろし、宮司さんにお祓いをしてもらいます。その後、御神酒をいただいて終了。
ここが雄山の頂上、標高3003メートルですね。

360度の大パノラマ、絶景ですな。
条件が良ければ富士山も見えるそうですが、どっちの方角かも分からず。下の方に見えるのは御前沢氷河かな。

神社と反対側にある一等三角点。奥には案内板がありましたが、登山客が占拠しててなかなか見られません。
じっとしていると足と腰がつりそうなので、うろうろしながらシャッターチャンスを待ちます。

しばらく待って、神社周辺のガスが晴れてきたところを撮ることができました。
これが今回のお気に入り、このブログを書いているPCの壁紙になってます。

すでに午後3時過ぎ。帰りのバスに間に合わなくなるのでそろそろ帰路につきましょう。
ガレ場がガスに覆われていますが、すぐに流れてしまうので問題なし。下りは思っていたよりもルート選択が難しくなく、足を滑らさないよう気をつけていれば大丈夫。
トレッキングポールが大活躍でした。

やっとこさ一ノ越の山荘が近づいてきました。

それから石畳の道を室堂まで戻るんですが、これが意外にキツかった。
下りはとにかく足が痛いのよ。

室堂ターミナルに到着し、湧き水で渇いた喉を潤して一息ついたら、もう最終バスの案内が聞こえてきます。あれだけ苦しんだのに、名残惜しくも晴れ晴れとした気分で立山を後にしました。

アルペンルートのサイトによると立山登拝コースの所要時間は上り2時間、下り1時間40分。しかしオイラは上り5時間、下り2時間かかりました。
ハニトーが食べられなかったのは残念至極ですが、そもそも食べてる時間なんてなかったですね。
美女平でケーブルカーを1時間くらい待ち、立山駅から少し離れた駐車場に停めたクルマに戻ったのはすっかり暗くなってから。それから富山市内に戻ってハニトー探したんですが、ヒットしないな・・・と思ったところでノックダウン。
結局、一度も食事をしないまま1日が終わりましたとさ。